リスナーコンプレックス|文・高橋コウタ

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私は音楽が好きだ。これは私の部屋のものだが、どんなリスナーだと思われるだろうか。

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私の音楽遍歴

イヤホンをつけっぱなしの23年間を送ってきた(そんなことはない)。

中学の頃まではSEKAI NO OWARI、キュウソネコカミやその他の邦ロックを聴いていた。その時は日本のバンドがパーソナリティーを務めるラジオ番組が好きで、そこで流れる曲をTUTAYAで借りてきて親から譲り受けたiPod shuffleに落として聴いていた。

高校に上がったタイミングでスマホを手に入れて、日常的に触れる曲の数が一気に増えた。通学の1時間の電車の中で音楽を聴いて、深夜になるともっぱらYouTubeを開いてMVを見漁っていた。ディグ欲が最も高い時期で、聴いていたのはヤバイTシャツ屋さんや長谷川白紙など。好きな人の誕生日にVulfpeckの「Back Pocket」のYouTubeリンクを送ったのを度々思い出して恥ずかしくなる(そういう行為が恥ずかしいだけで「Back Pocket」という選曲はむしろ悪くないと思うが)。

当時新曲を聴くために買ったCD

大学に入ってからサブスクで音楽を聴くようになった。どこから曲を仕入れるかというと、Xでフォローしている有名音楽リスナー、友達のストーリー、Spotifyのおすすめなどである。洋楽(海外の音楽)を聴くことが多くなり、ジャンルも幅広くなってインディーロック(ポップ)、エレクトロ、シティポップなどを聴いていた。

でもある時ふと、自分は誰かがおすすめした曲をブックマークやライブラリに追加するだけで、実際に聴いていないということに気がついた。そんなものが恐らく1000件くらい溜まっていて、恐らく見返すことはないだろうと思う。

そこにディグ欲の減少は認めるけれど、それ以上に音楽が供給過多なのだと思った。過去の素晴らしい音楽を掘っていてもキリがないのに、毎日のようにアーティストが新曲を上げている。キャパオーバーだったのだ。

リスナーコンプレックス

SNSを見ていると少なからず「音楽好きならこれくらいは聴いとけ」みたいな空気があって、サブスクでなんでも聴ける分、なんでも聴かなきゃ、そんなプレッシャーを感じてしまう。

そこでやっと、自分が「音楽に詳しい」ということにアイデンティティを置いていたことに気がついた。だから自分より音楽に詳しい人に会うと悔しいし、コンプレックスを感じていたと言ってもいい。思えば中学の頃からそうだったと思う。

それからは音楽といい距離感を取れている。無理に曲を聴こうという気持ちになったら、それを自覚して優しくリリースできるようにもなってきた。

音楽の聴き方は広く浅くで1曲ごとに選んでいたのがアルバムを通してゆるく聴くように変わった。オカモトレイジもサブスクやめてアルバム買えみたいなこと言ってたし。

改めて最初の写真を見てほしい。これらのアルバムは2020年頃のアナログ再評価の流れに乗って買ってみたものだ。レコードプレイヤーもCDデッキも持っていないからとても上っ面だけのリスナーなんだけれど、ひとつひとつのアルバムを大事にしたいと思う。

最後にアルバムのリンクを貼っておく。リスナーコンプレックスのあなた、この曲をあえてスルーして自分のお気に入りの曲を再生してみてはいかがだろうか?

NewJeans’OMG’ – NewJeans

泳ぐ真似 – Kabanagu

Mercurial World – Magudalena Bay

草木(Track by 長谷川白紙) – 一十三十一 

この記事を書いた人

高橋コウタ

フリーター。不時着というバンドでベースを担当している。趣味は筋トレ、ストレッチ、炒飯作り。優しさを売りにしている。

不時着 X:https://x.com/fujichaku_band

不時着 Instagram : https://www.instagram.com/fujichaku_band/

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